梅雨時は家の雨漏り点検をしてみよう
雨が多いからこそ点検できる!
梅雨の季節になってきました。雨が多いこの時期は、雨漏りが起きていないかを実際に点検してみていただきたいと思います。雨漏りを見つけるのは、家を建てた建設会社ではありません。見つけるのは自分達。自分の家は自分で守らなければいけません。
点検するポイントをいくつか挙げておきましょう。
まず、小屋裏(屋根の裏側、屋根と天井との間にできる空間)を見てみましょう。長雨の時にしか発生しない雨漏りもあります。構造部材を腐らせたり、シロアリを発生させる原因になることがあります。
それから壁紙。雨染みを確認してもらうのはもちろん、極端にカビが発生している箇所はないでしょうか。カビが多い箇所は、壁紙の裏側で雨漏りが発生している可能性があります。
外壁のひび割れや穴にも注意しましょう。小さなひび割れでも、雨がかかりやすい場所にあれば雨漏りの原因になります。開口部と壁の継ぎ目もひびが出やすい場所です。
雨樋のゴミには普段から気を付けておきたいものです。周辺から飛んできた葉っぱが溜まって、排水しきれなくなることがあります。
できれば床下もチェックしましょう。床下収納がある場合は、収納庫を取り外すと簡単に床下がチェックできます。
「少し雨漏りがしているようだけど、晴れている日は問題ないし、実害がないから修理はそのうちでいいや」と思っていると、染み込んだ雨が電線に触れて漏電することもあります。そうなれば雨漏りではなく火事になってしまいますので、早急に処置をするに越したことはありません。
雨が多い梅雨時では思うように修理ができないこともあります。シートなどを被せれば良さそうですが、強風が吹くと飛んでいってしまいますので、あまりお勧めしません。「震災の現場などでシートが被せてあるのをテレビで見たことがある」という方もいらっしゃると思いますが、あれは壊れた瓦などを重しに使って固定しているのです。応急処置ですが、その場にあるものを使い、しかもちょっとした風でも飛ばされない、一石二鳥の対処法なわけです。
雨漏りを見つけてすぐに修理できない場合は写真に撮っておくと良いでしょう。業者さんに見せれば雨漏り診断の助けになります。
ほとんどのご家庭では火災保険に入っているはずですが、一度は風災害の補償について確認しておきましょう。強風が原因で雨漏りが起こったと認められれば、修理費に保険が下りる場合があります。最終的には出費0円で済むこともあります。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。