転勤・旅行など長期不在時の防犯対策

「まさか」ではなく「あり得る」と思って対処する

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夏になると、子供は楽しい夏休み。大人もお盆などがありますから、一家で家を空けることが多くなるのではないかと思います。そんな時期ですから、防犯をしっかり意識しておくことが重要です。今回は長期不在にする場合の防犯についてお伝えしたいと思います。

まず大切なことは、長期不在にしていることが外部にばれないようにすることです。新聞を取っている場合は、長期不在の間は止めてもらうようにしましょう。それから、意外と忘れがちなのが郵便物。郵便局で手続きを取れば郵便物を止めておいてもらえます。回覧板も、町内の班長さんなどに止めてもらいましょう。ポストは在宅・不在を外部に伝えるバロメーターになっていると考えてください。

雨戸があるお宅であれば、雨戸は閉めて出かけるのが賢明です。雨戸が昼も閉まっていると不在を教えているようなものではないか、という意見もありますが、雨戸を開け、さらに窓を開けて侵入するのは時間がかかりすぎるので、普通の空き巣は敬遠します。雨戸がないお宅の場合は、例えばリビングの照明を点けっぱなしにして出かけると良いでしょう。電器屋さんに行くと、タイマーで点灯できる照明も売っています。有効なカモフラージュになります。

ラジオなどをタイマーでセットしておくのも手です。夜間だけ音が出るようにセットしておけば、やはり不在をカモフラージュすることができます。

それから、留守番電話のメッセージを丁寧なものに変えるのはやめましょう。年配の方に多いのですが、「8月10日から15日は留守にしております」といったメッセージが流れるようにセットし直す方がいらっしゃいます。電話をかければ、不在の期間が明確にわかってしまうので、空き巣に狙われる危険性が格段に増します。空き巣の中には、事前に電話番号を調べておいて、電話をかけて不在かどうかを確認する者もいます。無言電話がかかってきた時は、空き巣が狙っている場合があるので注意が必要です。他にもインターホンが鳴らされたり(いわゆる「ピンポンダッシュ」です)、家の付近にタバコが捨ててあったり、前兆がある場合があります。

対策の基本は、家に貴重品をあまり置かないことです。銀行の貸金庫を利用するなどすれば、万が一空き巣に入られても被害を最小限にすることができます。

詐欺と空き巣を併用していたケースもあります。私が実際に相談を受けたのですが、電話がかかってきて「大地震が噂されてますよね。大きな地震が来たら銀行はみんな閉鎖されますよ。預金は引き出しておいた方がいいですよ」と言われたそうです。相談者はそれを信じて、預金をかき集めて金属の箱に入れ、家の中に隠しておいた。ところがその電話は詐欺集団からの電話で、お金を下ろすところを確認していたんですね。実は空き巣に入って大金をせしめるのが最終目的だったのです。その後、相談者のお宅は不在のところを狙われて全額を持っていかれた、という話でした。さらに1週間後、再び空き巣が侵入したそうです。同じ犯人達が取りこぼしがないか見に来たようです。

「まさか」と思っている時ほど狙われるものです。「あり得る」と思って対処するのが防犯の基本と心得てください。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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