子供に防犯意識を持たせるにはどうすれば良いか
いざとなると声が出ない子供達
ラジオ番組には「バスター矢野が聞いてみた!」以外に、「バスター矢野が行ってみた!」というコーナーもあります。いわば“バスター矢野のチャレンジコーナー”です。
今回は「子供の防犯スポーツプロジェクト」に行ってきたので、その模様をお伝えします。
子供さんを連れ去る犯罪が増えている昨今、いざという時大声を出して逃げられることが大事です。実は、“走りながら大声を出す”というのは結構難しいのです。だから練習が必要になります。
セミナーでは子供達を並べて、笛を吹くと同時に「助けて~!」と叫びながら走ってもらいました。中にはなかなか声が出ない子もいましたが、「日頃から練習して、いざという時声が出せるようにしてください」とお願いしました。
以前にもお話ししたとおり、私は防犯設備士、防犯環境診断士の資格を持っております。防犯のノウハウを子供達にどうしたら伝えられるか、工夫をしながら取り組んでいます。
不審な人物に声をかけられたり、襲われたりしたら、すぐに逃げるのが一番です。同時に、大きな声を出すこと。しかし、訓練しておかないとなかなか声が出ません。特に、「助けて~、助けて~!」と、連呼するのが難しいですね。1回であれば、声が出る子もいるのですが。
走る時の姿勢も大事です。下を向くと声が出ません。上を向き過ぎても声が出ません。どのぐらいの角度で声が出るのか、実際に体験してもらうことが大切だと思います。「大声を出す」と「走る」を同時に行うのは難しいのです。
「走る」部分では、トライアスロン世界5位(当時)の鎌田和明さんと一緒に指導しています。鎌田さんは次のように語っていました。
「最初は恥ずかしがって声が出ない子もいるのですが、最後はしっかりと声も出るようになって、楽しんでやってくれているという手応えがありました。こういう時に体験しておかないといざという時に対応できないでしょうから、練習の機会を今後も作っていきたいと思います。
親御さんも一緒に『声を出して走る』という体験をされてもいいと思います。防犯だけじゃなく、ストレス解消ですね(笑)。一度体験した人達には他の方々に伝えてもらって、広まってほしいです。
大きな声を出すコツは、まず恥ずかしがらないことと姿勢です。体が曲がっていたり、顎が上がっていたり、顎を引き過ぎていたりすると声は出ません。しっかり正しい姿勢で走り、声を出すことが大事です」
大声を出して走ってみたことのないお子さんは、果たしていざという時できるでしょうか。それを確認するだけでも、このイベントに参加する意味があると思います。
イベントに参加して「楽しかった」と言ってくれる子達がいる一方、「思うように声が出なかった」と言う子達もいますが、それがわかっただけでも一歩前進です。
親御さん達からは「いざという時、声が出なかったり固まってしまったりすることがあります。その意味では、『声を出して逃げればいいんだ』ということが頭の片隅にでも残るのは意味があると思います」といった感想が聞かれました。
<この項、続きます!>
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。