防犯スポーツプロジェクトで学ぶ“いざという時”の対処法

毎週150名の参加者、子供達は遊びたい!

子供とスポーツ

矢野 子供達の運動能力や、地域との関わりについてお話しいただけますか。

鎌田 今は都市化が進んでおり、なかなか子供が遊べる環境がなくなってきています。遊ぶ環境がなくなってきていることによって、子供が体を動かす機会が減っていますね。防犯の観点から見ても問題です。毎年、子供達の運動能力をチェックする試験をやっているのですが、そのデータから見ても子供達の体力低下が窺われます。そんな中で、子供達がいつ来ても、遊びの延長戦上でスポーツを楽しめるような場所を提供していきたいと思い、クラブの運営に携わっています。

矢野 最近の子供は外で遊ばないのでしょうか。

鎌田 遊べないのかな、と思いますね。子供達は遊ぶ場所をすごく求めているんですけど。私自身が毎週土曜日の夜、6時半から8時半に高津中学校のグラウンドを利用して走り方の教室を展開しているのですが、そこには毎週150名ぐらいの子供達が参加いただいております。

矢野 150人ですか!

鎌田 安全に遊べる場所、何も気にせず走り回れる場所を求めているんじゃないかな、と感じています。

矢野 なるほど……。

斉藤 子供達のストレスも発散できそうですね。

鎌田 まさにそうですね。

斉藤 土曜の夜に150名って、想像してみるとすごいですね!

鎌田 毎週、運動会ですね(笑)。お父さん、お母さんも来てくださるので。

斉藤 楽しみにしている子供達がたくさんいるんですね。

鎌田 そうですね、毎週来てくれる子供達もいます。

斉藤 そこまで需要があるというのは、びっくりですね。

矢野 そんなにたくさんの子供が参加しているとは知らなかったです。最近の子供は塾にばかり行っているかと思っていたので、意外でした。

斉藤 親御さんも、その時間は安心して任せられますよね。

鎌田 はい、それもありますね。

矢野 私は防犯スポーツプロジェクトを一緒にやらせていただいているのですが、感想はいかがですか?

鎌田 正直に言えば、矢野さんと教室をやらせていただくまでは、あまり防犯を意識していなかったんです。でも、実際にやってみたら、子供さん達はいざという時に声が出なかったりするんですよね。アスリートの観点から考えますと、練習でできなかったことは、試合でもできません。いざという時のために準備をしておかないと、対応ができないのかな、と。この教室では、最後にちょっと怖いお兄さん役、おじさん役が登場して、「追いかけてくるから逃げよう!」というコーナーがあるのですが、その練習でも怖がって泣いてしまう子がいます。だからこういう機会を少しずつ増やしていかないといけないのかな、と感じていますね。

矢野 その通りだと思います。最終的には、自分の身は自分で守らないといけない。

斉藤 以前に取材もさせていただきましたが、防犯スポーツプロジェクトのようなイベントは全国に広げていかないといけませんね。あのイベントで意識が変わった親御さんも多かったと思います。「ウチの子、声が出ないんだ!?」と。小さなイベントですけど、そういった発見ができるというのは、大いに意味のあるイベントですよね。ぜひ全国に広げてほしい。

鎌田 まだ全国展開はできていませんが、私達の小さな動きが大きな動きに変わっていってくれたら、と思います。

斉藤 お二人でさらに可能性を探る作業とかは?

矢野 そうですね、プログラムがまだ限られていますので、今後増やして、色々なことがやっていければいいのかな、と思います。

斉藤 親御さんも参加してましたけど、そもそも親御さんにできるのか?という課題も見えてましたよね。親御さんがやってみて、子供にもやらせるとか、色々試してほしいです。私も他人事ではなかったので興味深く拝見しました。これからのお二人に期待させていただきます。

矢野・鎌田 がんばります!

斉藤 今後やってみたいことなどはありますか。

鎌田 大きな動きにつなげるためにも、実際に指導する機会を増やしていって、いざという時に自分の身を守れる子供が一人でも増えるように活動していきたいと思います。

斉藤 矢野さんも同じ考えですね?

矢野 そうですね、一つでも犯罪が減ればいいな、と思います。

斉藤 どうもありがとうございました。

※鎌田さんが主宰しているような地域型のスポーツクラブはどこにでもあると思いますので、自分が住んでいる地域で探して一度参加してみていただきたいと思います。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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