シニアの“趣味の基地”となる家とは?

空き家再生にも貢献!

空き部屋

最近では、シニア世代が趣味を楽しんだり、スクールに行ったりするための基地として家が機能することも増えています。ハウツー本などもたくさん発売されているようです。聞くところによると、40~50代がそういった書籍のメイン読者なのだとか。雑誌『POPEYE(ポパイ)』の創刊号世代で、いくつになっても遊びに貪欲なのだそうです。
シニア層を中心に話題になっているのが「近郊移住」です。例えばサーフィンが趣味の人であれば、いい波がいつ来るかわからないので、海の近くに移住する。そういった人が増えています。ちなみに私の福岡の家も海の近くですが、私の場合は釣りが趣味です。

ラジオのパーソナリティーを務めてくださっている斉藤リョーツさんによれば、趣味などの延長線上で移住する人にはいくつかのタイプがあるそうです。
まず、自然満喫型。農園で作物を作る、釣り、山菜採り、温泉通いをするなど、様々な自然を楽しむライフスタイルです。

それからレジャー型。サーフィン、スキー、ゴルフなどのフィールドの近くに住む。最近ではゴルフ場の横に専用のマンションが建っていたりします。健康法の一つとしても人気があるようです。斉藤さんの友人には、冬場は長野の雪山、夏場は湘南の海辺で暮らしている人がいるそうです。

次に没頭型。陶芸、読書、写真など、自分の趣味に没頭するための基地として家を利用するスタイルです。自然豊かで静かな家を選ぶ方もいらっしゃいます。
私も趣味の部屋をいくつか手掛けたことがあります。釣りが趣味の人には、浮きや竿を作るための台を作ったり、陶芸のために庭に窯の土台をこしらえたりしました。マンションなどではできないことを、近郊移住で実現しているのです。

2014年3月に国土交通省で賃貸住宅の流通に関するガイドラインが発表されました。3つ新しいガイドラインがありまして、①今までの賃貸住宅と同じ一般型、②アパートなどを会社が借り上げる事業者借り上げ型、そして③借主負担DIY型というのが登場しました。入居前、入居中の修繕は、これまで大家さん負担でやっていたのですが、借主負担DIY型では借主が修繕費用を負担する代わりに、自由に作り替えていいことになっています。構造体(柱、梁、土台など)は大家さん負担ですが、外装・内装・キッチン・トイレ・お風呂などは借主の自己負担で自由にしていい。しかも、原状回復義務もありません。大家さんの側も、壊れている所を直さなくて良かったりするので、賃料を安く設定できます。数百万円単位でリフォームしたとしても、長期間住むのであれば低賃料で元が取れます。近郊移住でもこのタイプを利用することが増えていて、国や市町村から助成金が出ることもあります。

これは空き家対策にもなります。現在は10軒に1軒以上が空き家になっているので、例えばセカンドハウスとして空き家を利用してもらえれば助かるわけです。昔は投資目的でセカンドハウスを所有したりしましたが、今は趣味と環境を楽しむ家として注目されています。市町村でも情報を扱っていますので、役所の地域振興課に行ってみましょう。「空き家お助け隊」など、インターネット情報も充実してきています。

バスター矢野のワンポイントアドバイス

移住までしなくても、ベランダで家庭菜園を楽しみたい方もいらっしゃると思います。植木鉢などをベランダにたくさん置いておくと排水口の詰まりを見逃すことがある、と以前にお伝えしましたね。鉢の植え替えの際に小さなシャベルを使うと、防水層を傷つける恐れがあります。養生シートなどの上で作業をするようにしましょう。

ゴーヤなどを「緑のカーテン」として栽培している方もいますが、プランターを直に置くと水が溜まってやはり防水層を傷つけます。プランターの台を買ってきて、床面との接触を減らしましょう。台風の時などは飛ばされないように家の中に入れましょう。

ブログ村ランキングアップへご協力お願いします。
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村

[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

「見積もりの根拠がわからない」「見積もりの診断をして欲しい」という場合、
市民住まい向上委員会へご連絡ください。
市民住まい向上委員会では年間5,000人以上の方の相談を受けています。