「家は一生に一度の買い物」は昔の話

家に愛情を注いで資産価値を上げる!

建物

引き続き、「住まいの価値」について不動産鑑定士・住宅診断士の皆川聡さん(あおい不動産コンサルティング代表取締役)に話を伺います。

斉藤 前回は、これからは家をきちんとメンテナンスしていれば高く売れる可能性があること、一つ一つの家が綺麗になれば、町や地域の価値も上がるというお話を伺いました。確かに、地域に一人で住んでいるわけではないですからね。

皆川 余所の家を見て「あの家、日当たりの悪い外壁にコケが生えているわね」などと思うことがあるかもしれませんが、皆さんがそう思うということはそれだけ地域の価値も下がってしまうのです。

斉藤 人間も家も町と協調性を持ってやっていかなければならないということですね。

皆川 ちょっと手を付けていただければ、皆さん気持ち良く生活できると思うんですけど。

斉藤 雑草一本抜くか抜かないかでも、まったく違ってきますよね。家も体と一緒で、様々な専門家、診断士の診断を仰いだ方がいい、と。

皆川 そうですね。

斉藤 家の価値の決め方に関して、「ここをまずはちゃんとしておいてください」というところはありますか。

皆川 法定耐用年数を過ぎた建物の価値は形式的にゼロになっていたのですが、今後は増改築や今仕様の間取りや性能を備えるためのリフォーム、模様替えなどを施し、住宅診断士、雨漏り診断士、外壁劣化診断士などの診断書を元にした鑑定評価書で価値を算出すれば、金融機関の融資も受けられるし、高く売れる可能性が高くなります。すると次の住み替えも可能になる。こういう流れがますます進むと良いと思います。

斉藤 家の価値というのは、自身の人生の行き先を決めてくれるものだと思うんです。そこにとどまると次に行けない。家のメンテナンスをきちんとして価値が上がれば、人生設計の選択肢も増えますね。

皆川 「家は一生に一度の買い物」ではない。そんな時代が来ると思います。

斉藤 そして、家に愛情を注げば結果が大きく変わるわけですね。本日はありがとうございました。

バスター矢野のワンポイントアドバイス

国土交通省では25~30年過ぎた家でも、住宅の躯体の性能が失われない限り、適正な修繕を行えば何度でも価値の回復・向上ができる、と指針を出しております。家を壊さず大切に使うことは地球を守ることにもつながります。燃やせば二酸化炭素やダイオキシンの問題があるわけですから、ぜひ家を大切に使っていただきたいと思います。世界の家は平均100年持つと言われていますよ!

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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