屋根の定期点検の重要性
良い業者を見分ける方法を知っておこう
以前、屋根のプロフェッショナルの方にお話を伺ったことがありますが、やはり屋根の定期点検の重要性を訴えていらっしゃいました。屋根での作業は転落の可能性もありますから、基本的にはプロフェッショナルの領分です。ガルバリウム鋼板の屋根は滑りやすいので、特に危険です。
屋根を長持ちさせたいのであれば、プロの屋根業者に定期的な点検を依頼することです。
屋根の材質によって耐用年数は変わってきますが、屋根の材質がわからない方は、10年経ったら一度点検した方が良いでしょう(スレート瓦なら5年、ガルバリウム鋼板等なら10年が目安)。
また、業者が見積もりに対して詳しい説明ができるか、お客様が納得するまで付き合ってくれるかというのも大事なポイントです。ちょっと鋭い質問をすると答えられなくなる業者も稀にいるようです。例えば「ケラバ板金はどこに付けるのですか?」と聞いて、すぐに答えられない業者はアウトでしょう。インターネットで「屋根工事」「屋根の知識」などを調べて知識を蓄えておくだけで、業者の対応が変わってくることもあります。
屋根から雨漏りがしても「あっ、雨漏りだ」と思うだけかもしれませんが、部屋の中に水が染みてきた時には雨漏りが始まって相当の時間が経っていると思わなければなりません。ガルバリウム鋼板の屋根なら、板金→防水シート→野地板→断熱材→プラスターボード→ビニールクロスのすべてを水が通過しないと雨漏りと認識されないのです。それでも早い段階で工事をすれば軽傷で済みますが、放置していると内壁・外壁を壊して柱を入れ替えたりしなければならなくなります。
屋根の素人でもチェックできるポイントがあります。外に出て、軒天(軒裏天井)を見てみましょう。軒天に染みができていると、水が浸入している可能性が高いです。
病気と同じで、早期発見・早期治療が一番大事です。屋根のプロフェッショナルの方は「バルコニーは雨漏りの発見が遅れることが多い」とおっしゃっていました。アルミのバルコニーなら良いのですが、家に作り付けになっているバルコニーは水の浸入が多く見られます。発見が遅れるとバルコニー全体を撤去して作り直さねばならなくなります。躯体にまで腐食が及ぶと大工事になってしまいます。
屋根に限らず、工事では見えない所こそ重要です。見た目を良くすることは誰でもできます。きちんとした業者に工事を行ってもらえば、家は長持ちします。また、屋根材は劣化するので、いつかは水が入ります。本当の屋根職人であれば、その水をどのように逃がすかまで考えて施工してくれます。
色々説明してきましたが、屋根は種類も多いのでなかなか自信を持って決断できないこともあるかと思います。市民住まい向上委員会では住まいのことなら何でもご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。