塗装・屋根の基礎知識を見直す

塗装は誰でもできる工事?

塗装

今回は塗装・屋根の基礎知識を見直してみましょう。

・塗装は500万円以下の工事であれば誰でもできる
まず、500万円以下の工事であれば、塗装には資格も建設業の許可も要りません。誰でもできるのです。実際に自分で家を塗る方もいらっしゃいますね。逆に言えば、塗装業界は基準が甘いので、決まり事を守らずに勝手な施工をする人が出て来ます。このことは不良施工の原因となっていますので、気を付けましょう。

・一級塗装技能士になるには各種試験をクリアしなければならない
一級塗装技能士は国家資格です。吹き付けのテスト、調色のテスト、刷毛の使い方など、厳正に審査されます。学科試験もあるので、きちんとした知識も備えていなければなりません。誰でもできる塗装ですが、国家資格を持つ人に頼んだ方が失敗する確率はグッと下がります。

・塗装には4つの基本がある
塗装で守らなければならない基本は次の4つです。

  1. 薄める割合(希釈率)
  2. 塗る回数
  3. 塗る塗料の量
  4. 乾かす時間(塗り重ね乾燥時間)

最低限これらを守らないと塗料は性能を発揮できません。特に④については目に見えませんので、確認するには施工している人の横にいてじっと見ているしかありません。それは現実的ではないので、職人さんに「塗り重ね乾燥時間はどれぐらいですか」とズバリ聞いてみましょう。工事が始まる前に、工期を確認することも必要です。
塗装の良し悪しは数年経たないとわかりませんので、施工前、施工時の確認が大事です。工期短縮をしようとすると、早く乾かそうとして塗料を薄く塗ったり、乾燥時間を勝手に短くしたりすることがあります。

・熱がこもりにくい屋根には「棟換気」が取り付けられている
暖かい空気は上に集まりやすく、小屋裏に溜まりやすいものです。屋根で一番高い棟の部分に棟換気を取り付けると暖かい空気を通気させることができます。こうすることで屋根には常に冷たい空気を取り入れることが可能になります。

・現在使われている主な屋根材は3種類
現在使われている主な屋根材は①陶器瓦、②ガルバリウム鋼板、③スレート瓦です。
スレート瓦は1961年に開発されたもので、最初に発売されたのは「クボタのコロニアル」という製品でした。厚さが4.5ミリと非常に薄く軽量なので、阪神・淡路大震災の時は、スレート瓦の家はあまり倒壊せずに済みました。それ以来、地震に強い屋根材ということで多くの住宅で使われるようになりました。
屋根は普段見えない部分なので、一番目が届かない場所でもあります。自宅の屋根の素材などについて知っておきましょう。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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