外壁塗装の費用の内訳、足場代は無料にできるのか?
一般的な外壁塗装工事の構成を知っておこう
外壁塗装を行う際、気になるのはやはり費用のこと。実際には相見積もりを取ったりするので、工事費用が予想より高くなることはまずありません。追加工事がある場合でも、施主さんには事前に説明があります。安い金額で工事を請け負い、あとから勝手に追加工事を行って工事費用を上乗せするのは、まったくフェアではありません(契約にない工事は支払を拒否することが可能です)。
しかし、工事で何かあった時、工事の内容がよくわかっていないと頼りないことこの上ありません。事前に工事の見積もりをよく読み、大体の内容を把握しておきましょう。
一般的な見積書は次のような項目で構成されています(:以降は解説)。
〈外壁塗装〉
- 足場:高い所を塗装する場合は足場を設けます。
- 養生:余計な所に塗料が付いたり、ゴミが飛散したりするのを防ぎます。
- 高圧洗浄:外壁や屋根の汚れを水で吹き飛ばします。
- その他(下地処理と運搬搬入諸経費):下地処理も重要です。
- 下塗り:塗装の仕上がりを決める大事な工程です。
- 中塗り、上塗り
〈屋根塗装〉
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 下塗り
- 中塗り、上塗り
- 値引き
なお、塗料によっては上塗りが2回行われることもあります。
見積書に足場代や養生代が含まれていない場合は、悪質な業者である可能性がありますので、注意しましょう。足場代は工事代金全体の2割ほどかかると言われており、そのために外壁塗装と同時に屋根塗装も行う人が多くなっています。どうせ高い足場を組むなら、合わせてやってしまおうと考えるからです。その足場代が見積書に入っていないということは、後から追加料金が発生するということ。もし「足場代は無料です」と言うのであれば、それは他の項目に上乗せしているだけのことです。養生代もそれなりにかかるので、見積書に含まれていないとトラブルになる項目です。
キャンペーン値引きを受けられる場合は、工事範囲、塗料の種類、塗装面積などを確認しておきましょう。塗料のグレードが希望のものより低ければ、価格が安くても意味がありません。塗装面積についても、「100平米まで」などと決められている場合があります。それ以上の大きさの外壁だと、結局追加料金がかかってしまいます(面積については、CADで正確な数字を把握しておくことが望ましいです)。
他の項目についても、できれば大まかな相場を調べておきましょう。過去の事例では、例えば高圧洗浄の費用が異様に高い見積書がありました。何か理由があるのかも知れませんが、こういった業者は候補から外した方が良いでしょう。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。