外壁塗装の見積もりテクニック
適正価格にそれほど差はない?
「外壁塗装の見積もりテクニック」と題しましたが、「安さが売りのリフォームには注意が必要」と最初に申し上げておきます。同じ塗料、同じ職人の数、同じ足場であれば、見積額はそんなに変わらないはずです。極端に安い工事をする業者は、塗料のグレードを下げているか、塗る回数を減らしているか、工事に関わる人数を減らしているか、いずれにせよ低価格を実現するために工事の質を落としている可能性があります。適正価格で行った工事と低価格で行った工事では数年後の結果がまるで違ってくる場合があるので、注意が必要です。よく知っている業者がサービスしてくれる場合は別ですが、基本的には適正価格を意識したいものです。そのためには価格相場を把握しておくと良いでしょう。
例えば「日本外壁塗装相談センター」というサイトでは、匿名で外壁塗装の価格相場を確かめることができます。他にも屋根の塗装、外壁の貼り替え、屋根の貼り替えについても調べることが可能です(調べた後でセンターから電話がかかってくることもあります)。
価格の相場を知ると「極端に安い工事はないんだな」とわかると思いますが、トータルで工事費を安くする方法はあります。その一つは「外壁と屋根のリフォームを同時に行う」という方法です。実は、塗装工事において料金の大きな割合を占めるのは足場代です。外壁と屋根を別々にリフォームすると二度足場を立てる必要が生じる場合があり、トータルの工事費が跳ね上がります。しかし、外壁と屋根を同時にリフォームすれば足場代が半分で済みます。もちろん、人件費も少なくて済みますね。業者によってはセット割引を適用してくれるところもあるようです。
もう一つはランニングコストを意識して塗料などを選定することです。安い塗料を使えば初期費用は安くなります。しかし、安い塗料は耐用年数が短く、早ければ数年で塗り替えを行わねばなりません。また、遮熱機能やセルフクリーニング機能などもありません。
例えば遮熱機能がある塗料を外壁や屋根に使えば、当然初期費用は高くなります。しかし、グレードの高い塗料であれば耐用年数も長くなり、次のリフォームまで間を空けることができます。さらに、遮熱機能により夏は涼しく冬は暖かい環境が手に入りますので、光熱費も抑えられます。ランニングコストを考慮して塗料などを選択すれば、“安物買いの銭失い”ということにはならないでしょう。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。