外壁塗装の予算とパックプラン
パックプランの注意点
外壁塗装の予算を考えるとき、塗料代や足場代、人件費などまで考慮するのは面倒なものです。例えば塗料代を考える場合、見積もりの基準が会社によって異なるという問題があります。外壁の面積を概算するとき、用いる係数が異なる場合があるからです。これを避けるには、最初から正確な外壁面積を知っておかなければなりません(今ではCADで割り出すこともできますが)。
こういった煩わしい問題を一気に解決してくれそうなのが「パックプラン」「パック料金プラン」です。これは「このプランだったら定額でできますよ」というもの。外壁塗装は一般的に「延べ床面積が30坪の場合、屋根塗装を含めて100万円前後かかる」と言われており、大抵のパックプランはこれより安く設定されています。安くて定額であれば、魅力的ですよね。ただし、パックプランにはいくつか注意した方が良い点があります。
第一に、パックプランの中には屋根塗装が含まれていないものもあります。屋根は外壁より劣化が早いこと、足場代が高額なので外壁と屋根を一度に塗装した方が安上がりなことから、外壁塗装と屋根塗装はセットで行うことが多くなっています。外壁塗装のみのパックプラン+屋根塗装ということになると、かえって割高になりかねません。また、パックプランに含まれていない工事が必要になる場合もあるので、やはり最初の検討段階できちんと診断しておかねばなりません。
第二に、相場より安すぎるパックプランは要注意です。大抵は小さな文字で「延べ床面積20坪」などと書かれています。つまり小さな家を対象にしているから安くなっているだけで、あなたの家を工事する場合は追加料金がかかるかもしれないのです。このような表記をしている業者には気を付けた方が良いでしょう。
第三に、アクリル塗料やウレタン塗料のパックプランには注意しましょう。アクリル塗料やウレタン塗料は耐用年数が短い塗料です。数年に一度は塗り替えが必要になるので、ランニングコストはかえって高くなることがあります。シリコン塗料であっても、グレードの低い塗料である場合もあります。このあたりのことを事前に通知しない業者には注意が必要です。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。