外壁塗装と30坪のボーダーライン
パックプランのイメージを掴む
外壁塗装の予算を検討する場合、「延べ床面積30坪」が一つの基準となります。外壁塗装の情報を扱ったホームページなどをざっと眺めてみると、「延べ床面積30坪の場合」「延べ床面積30~35坪の場合」などと書かれていることが多いのに気づきます。これは、多くの住宅が延べ床面積30坪、99㎡以上の2階建て住宅であることに由来しているようです。つまり、延べ床面積30坪は平均的な数字というわけです。
たまにご自宅の延べ床面積を失念している方がいらっしゃいますが、特にパックプランの場合は延べ床面積を基準に価格や条件を設定していることが多いので、事前に調べておきましょう。ホームページによっては、10坪刻みで外壁塗装の価格相場を一覧にして紹介している場合もあります。塗料の種類別に一覧表を掲載しているホームページもあるので大変参考になりますが、あくまで概算であることも理解しておきましょう。正確な料金を知るためには、最終的には正確な外壁面積に基づいて計算がなされなければなりません。
パックプランに関して言えば、良心的な業者であれば、必ず「延べ床面積○坪」という表記がすぐにわかる体裁で掲載されているはずです。料金の安さばかりを強調して、延べ床面積を小さく表記したりするのは、親切な宣伝法とは言えません。
先ほど延べ床面積は30坪が平均だと述べましたが、実際には20坪前後の住宅もあります。都会に多い狭小住宅などはまさにそれで、ハウスメーカーや施工会社は、狭さを感じさせず利便性の高い物件にしようと様々な工夫を凝らしていることもあります。したがってパックプランで10坪、20坪という延べ床面積を設定して料金を提示している会社があっても何の不思議もないのですが、その情報を小さく表記している場合は注意が必要です。お客様にとって重要な情報をわかりづらくして、安い値段だけを強調していると考えられるからです。法的に問題なくとも、誠実な姿勢とは言えません。実際に、パックプランで頼んだにもかかわらず、後から別料金のオプションの利用を要求されてトラブルになることもあるようです。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。