軽くて錆びにくいガルバリウム鋼板

様々な建材として活用

ガルバリウム鋼板はアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称で、ガルバリウム、ガルバとも呼称されます。同じ耐食鋼材として知られるステンレス鋼板より安価で、建物屋根や外壁、ベランダまわりや雨樋などの建築材料として利用されています。

ガルバリウム鋼板の特長

・長期耐久性
ガルバリウム鋼板はアルミニウムの長期耐久性と亜鉛の犠牲防食機能を併せ持っています。犠牲防食機能とは、めっきの皮膜に傷が生じた場合、素地の鉄が露出したとしても、傷の周辺の亜鉛が電気化学的に保護するというもの。錆びやすい鉄を腐食から防ぐ機能です。また、亜鉛の酸化被膜は空気や水を通しにくいため、それ自体が保護皮膜作用を持っています（ガルバリウム鋼板の皮膜寿命は25年以上）。このためガルバリウム鋼板は亜鉛鉄板（Z27）の3～6倍の寿命が期待できるとも言われています。酸性雨や酸性雪にも耐性があります。

・耐熱性
ガルバリウム鋼板はアルミめっき鋼板に近い耐熱性を保持しています。これはめっき層の中にアルミニウムが多く含有されているからです。

・熱反射率
ガルバリウム鋼板は亜鉛鉄板と比べて太陽光・太陽熱を反射しやすいという特徴を持っています。表面温度はもちろん、室内温度を抑えることもできます。

・加工性
アルミニウムの特性である加工性の高さもガルバリウム鋼板は引き継いでおり、溶融亜鉛めっき鋼板と同等の扱いやすさがあると言われています。

・軽量性
ガルバリウム鋼板は薄さ1～3mmほどのため、圧倒的な軽さを誇ります。そのため耐震性に優れます。

・デザイン性
着色性が高く、高い耐熱性と熱反射率を利用することで、黒など他の建材では実現しにくいカラーも存在します。

ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板は優れた建材ですが、デメリットもあります。

・初期費用、ランニングコストが高め
ガルバリウム鋼板はデリケートな建材（他の金属や木材と接触すると腐食する）なので、施工コストが高くなりやすいと言われています。また、デザイン性が高い反面、塗装乗りが悪い建材でもあるため、塗装が剥がれると再塗装が難しく、ランニングコストを押し上げる可能性があります。

・錆びないわけではない
ガルバリウムも鋼板である以上、錆びないわけでありません。ガルバリウム鋼板のコーティングは海に近い地域でも高い耐性を発揮しますが、傷が付けば錆びる場合もあります。

・断熱性、遮音性が低い
金属板であるガルバリウム鋼板の断熱性は高くありません。このため断熱材を一体にした製品が販売されています。また、雨音なども響きやすいのですが、断熱材一体型なら遮音性能も向上しますし、防音のために表面に小石の粒をコーティングしたものも存在します。