一般的な陶器平板瓦の半分以下の軽さ『ROOGA(ルーガ)』
新しい軽量セメント瓦
瓦と言えば日本古来の屋根材が連想され、何だか古臭いものだと感じる人がいるかもしれません。しかし実際には、見た目は昔のままでも中身が進化した瓦が多数登場しています。ROOGA(ルーガ)もそんな瓦の一つです。
ROOGAはケイミュー株式会社(旧クボタ松下電工外装株式会社)の製品です。ケイミューはスレート瓦をカラーベスト、コロニアルという名称で広めたことで知られています。ROOGAはスレート瓦ではなく、軽量セメント瓦に分類されます。陶器平板瓦と比較するとその重さは1/2以下。同程度の耐震構造を持った建物であれば、屋根が軽い方が建物にかかる力を抑えることができるため、耐震性能を向上させることができます。
ROOGAでは1枚ずつ釘で固定する施工法を採用しているだけでなく、風の抵抗を逃がすように形状にも配慮。
強風による飛散やズレに強い構造となっています。
また、ROOGAは防水堤と高精度なジョイントで浸水を防ぎ、しかも重なり部分に浸入した雨水をスムーズに排出する水切り形状を備えています。
粘り強い繊維素材を採用していることもROOGAの特徴です。万が一、飛来物によって割れた場合も破片の飛び散りを最小限に抑えることができますし、地震により強い力がかかっても力を吸収し、割れを抑えます。
粘り強いのに軽量なのは、素材の中に無数の気泡が含まれているからです。
この気泡は樹脂膜によって被膜されているので、気泡への水の浸入を防いでくれます。グラッサコートと呼ばれるケイミュー社独自の塗装構造も備えているので、耐候性にも優れています。グラッサコートは紫外線に強く、メーカーテストでは色褪せに対して高い耐性を示しました。
これらの特性は屋根塗装の頻度を抑えることにつながります。
ROOGAが軽い瓦であることはすでに述べましたが、その工法も軽量化に一役買っています。軽い屋根材を用いても、湿式工法(土や漆喰で瓦を固定する工法)では土や漆喰が総重量を増やします。ROOGAは釘を用いた独自の乾式工法を用いているので、湿式工法より軽い屋根を実現できます。
軽量であることは、CO2排出量の削減にも貢献します。
瓦を輸送する際に消費される燃料を抑えることができるので、CO2排出量を陶器瓦の1/2に減らすことができるそうです。また、先に述べたように塗り替えなどのメンテナンス回数を減らすこともできるので、併せてCO2削減に貢献できます。
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- [コラム著者]矢野克己
- 一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。