木造住宅の専門のアドバイザー『増改築相談員』

リフォームの専門家

リフォームを行う場合、当然ながら依頼する側は業者などに専門的な知識と技術力を期待します。そういった時に威力を発揮する資格の1つに「増改築相談員」があります。
増改築相談員は公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営している資格です。リフォームの設計・施工、見積もりに関する知識や経験を備えていることを証明する資格であり、高齢者対応のリフォーム、耐震性や公的資金に関する相談など、幅広いアドバイスを行うこともできます。これから住宅のリフォームを考えている消費者の強い味方になる資格だと言えるでしょう。
資格取得者の多くは住宅メーカーや工務店などに在籍しています。増改築相談員の資格がなくてもリフォーム関連の仕事をすることは可能ですが、この資格は誰でもチャレンジできるものではなく、一定の実力を備えた専門家であることの証明になっています。

増改築相談員になるには

増改築相談員になるためには研修に参加することが必要なのですが、住宅の新築工事やリフォーム工事関連の実務経験が10年以上あることが参加資格となっています。この実務経験には具体的な指定があります。

・共同住宅を含む新築住宅の設計・施工・施工管理
・共同住宅を含む住宅リフォームの設計・施工・施工管理
・住宅設備機器関連の設計・施工・施工管理

営業や資材運搬、解体業などは実務経験と見なされないので注意する必要があります。依頼者の立場から言えば、増改築相談員であれば必ず10年以上の実務経験があることになるので、安心感がありますね。

研修会は全国各地で受けることができます(住宅リフォーム・紛争処理支援センターが承認した地域の大工・工務店団体等が実施しています)。
研修会では「一般知識編1」「一般知識編2」「最新情報編」「介護保険における住宅改修・実務解説」「考査」が行われ、時間は7時間30分以上かかります。

一般知識編では「総論・相談・工事の進め方」「性能向上リフォーム」「住宅の点検と補修」「設備のリフォーム」が科目となっています。
最新情報編では「最近のトピック」「関連法規・制度等」「関連融資・住宅の税金」「トラブル事例とその対応」について学習します。
なお、増改築相談員は5年ごとに登録更新が必要です。更新の際にも研修が行われ、常に新しい知識や技術を取り入れることが可能になっています。更新研修会は「最新情報編」「介護保険における住宅改修・実務解説」「考査」だけなので、時間は3時間30分以上となっています。

ブログ村ランキングアップへご協力お願いします。
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村

[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

「見積もりの根拠がわからない」「見積もりの診断をして欲しい」という場合、
市民住まい向上委員会へご連絡ください。
市民住まい向上委員会では年間5,000人以上の方の相談を受けています。