歴史を持つ資格『防犯設備士』

元は国家公安委員会認定事業

今日では様々な分野で防犯を担当する人々がいますが、防犯設備士は1992年に国家公安委員会認定事業として開始された歴史を持つ資格です。現在は国家公安委員会認定ではなくなり、公益社団法人日本防犯設備協会によって自主事業として実施されています。日本防犯設備協会は防犯設備士とその上位資格である総合防犯設備士の資格認定試験や優良防犯機器認定制度などの事業を行っている法人です。

防犯設備士に求められる能力

防犯設備士には防犯設備に関する専門的な知識・技能が求められます。また、防犯設備の設計、施工、維持管理、防犯診断に関する業務を行うだけでなく、警察や自治体などと連携しながら防犯の専門家として活躍します。安全・安心なまちづくり実現のために、地域の防犯対策で大きな役割を担うのが防犯設備士です。近年では防犯設備機器だけでなく、振り込め詐欺やサイバー犯罪などについても知見が求められるようになりました。防犯設備士は犯罪情勢にも留意しつつ、防犯設備の知識や運用法を絶えずインプットして常に的確な対応をできることが期待される資格だと言えるでしょう。

試験

防犯設備士になるためには試験前日に防犯設備士養成講習を受けねばなりません(講習内容は「防犯設備士テキスト」の復習)。また、事前提出レポートの提出も必須です。この2つの条件を満たした人は資格認定試験に挑戦できます。
試験科目は「知識試験」と「技能試験」。知識試験では防犯の基礎知識、防犯建物部品の基礎知識、防犯設備の構造及び機能の知識、 電気の基礎知識が問われます。技能試験の内容は防犯設備設計の技能、防犯設備の名称及び用途等の識別、防犯設備の施工、 防犯設備の保守方法、関係法令など。なお、知識試験・技能試験のいずれもマークシート方式となっています。

総合防犯設備士

防犯設備士の上位資格として総合防犯設備士があります。総合防犯設備士は防犯設備士と同じくあらゆる施設において想定される犯罪を考慮した防犯設備の設計、施工、維持管理などを行うだけでなく、診断、監理、コンサルティングなども手掛けます。また、防犯設備士を指導・育成する役割も担います。このため総合的な専門知識・判断力・応用力が求められる資格だと言えるでしょう。
試験には一次試験と二次試験(面接)があります。また、一次試験はA(筆記試験)とB(講習認定)に分かれていて、選択することができます(受験資格は異なる)。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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